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「二保さんに勝利を」七夕の願い届かず

「二保さんが勝てますように」
七夕の日、ベンチにはそんな短冊が飾られていた。その願いを実現すべく打線は新しいチームメイトにどんな言葉や拍手よりも喜ばれるであろうプレゼントを送った。

初回、先頭の近本が安打で出塁すると盗塁で2塁に、糸原の進塁打で3塁に進む。この絶好の先制機にサンズがセンター左へ2点本塁打を放つ。

「1番が塁に出て走って、2番が3塁に進めてくれて、あとは返すだけという状況を作ってくれたから、自分の仕事に集中することができたよ。先制することができて良かったね」

ソフトバンクから移籍後先初登板となる二保にとって嬉しい援護点。しかしファームでは4勝1敗、防御率2.57と好投を続けていた右腕は立ち上がりに逆転弾を浴びて4点を失ってしまう。

それでも4回、先頭のマルテが追い込まれてから変化球をうまく拾ってレフト前に運び佐藤輝の前に走者を出すと、飛距離が魅力のルーキーの打球はライトフェンスを越えた。20本の大台に乗せる節目の一発は同点アーチ、佐藤輝の本塁打で試合を振り出しに戻した。

先発の二保は豊富な球種で狙いを絞らせず、動くボールで芯を外す本来の投球で2回以降追加点を与えず5回までマウンドを守った。「1番は先制してもらったあとにすぐに逆転されてしまったので、チームに申し訳ないという気持ちが大きいです。すぐに打線がホームランを打ってくれて追いついてくれたので良かったですが、試合を壊していてもおかしくない展開だったと思います。2回以降は徐々に落ち着いて自分の投球はできていたと思うので、本当に追いついてくれた味方の打線に感謝したいです」

4-4の後半に本塁打を放っているサンズと佐藤輝は守備でも球場を沸かせた。

6回に2死2、3塁からサンズがレフト線へのライナーをダイビングキャッチ。抜けていれば2者の生還は確実と思われる打球をスーパーファインプレーでグラブに収めた。

7回にはライト線を破った打球を処理した佐藤輝がストライク送球を2塁ベースに送りタッチアウト。先頭打者の出塁を許さなかった。

相次ぐ好守備で持ち堪えていたが8回に重たい2失点。9回に代打・原口と近本が安打を放つも反撃はならなかった。敗れはしたが新加入の二保はゲームメイク能力をアピールし、野手陣も攻守に気持ちの込もったプレーが目立った。内容としては次につながるはずだ。